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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:タイ、高齢化への危機感」から

2023.2.28  日経産業新聞の記事「眼光紙背:タイ、高齢化への危機感」から

低成長、高齢化社会の日本を参考にしたいというタイ

コラムの著者が日本とタイの学術交流を推進する日本の団体からの招かれて、バンコクでタイを含めた東南アジアの経済展望と課題について講演をした際に、クローズアップされたのがタイの高齢化についてであったという。

○2005年タイは65歳以上の割合が15%と東南アジアでは高齢化が最も進んだ国になった

世界銀行の報告によると、日本は2021年の65歳以上の割合が全人口の30%とモナコの36%に次いで世界で2番目に高い。タイは東南アジアでも最高となり、高齢化の速度としては17年間で比率が2倍となり、韓国と同様深刻な状況であるという。

タイの聴衆からの質問は、

  • 「日本政府は高齢化にどう対処しているのか」
  • 「高齢化の多くは幸せに暮らしているのか」

といった質問が相次ぎ、タイもいずれ日本と同様の課題に直面するとの認識である。

同講演の後で、ドゥアンチャイ・ロタナウニッチ博士がコラムの著者に話しかけてきた:

「タイは高齢者の介護のあり方、高齢者の幸せな暮らし方の先行事例として日本を参考にしたいと強く思っているが、日本もまだ悩んでいる状況なのだろう」

と。タイでは経済成長率も日本の低成長、高齢化の面でも経済協力の面でも協調したいところであろう。本家の日本はまだ課題解決には道半ばである。🙏🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🇹🇭


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:何をリスキリング?学力より人間力鍛え直そう」から 

2023.2.10  日経産業新聞の記事「関沢英彦の目:何をリスキリング?学力より人間力鍛え直そう」から

日本人で徹底的な学び直しが必要なのは非認知スキル(社会情動能力)

 コラムの著者 関沢 英彦氏(発想コンサルタント)によれば、リスキリング(学び直し)を取り上げ、デジタル社会を推進する認知スキル(知的思考能力)の向上が急務であるという。だが、深刻なのは日本人は人間力とも言われる非認知スキル(社会情動能力)の向上が重要だという。

◯非認知スキル(社会情動能力)は認知スキルも機能させる

 関沢氏によればOECDによる学習到達度調査(15歳対象・2018年実施)で日本は

  • 読解力:15位で低下
  • 数学的応用力:6位
  • 科学的応用力:5位

と一定の力を持っている。学び直しがむしろ必要なのは、非認知スキル(社会情動能力)の方で、学力などで測れる認知スキルより、人間力である非認知スキルの劣化が著しいという。非認知スキルが弱体だと認知スキルも機能しない。

非認知スキルは他者と交わる能力が必須である。博報堂生活総合研究所「生活定点」調査(首都圏・阪神圏在住の20〜69歳対象)によれば、現状が見えてきている:

  • 「自分は誰とでも友だちになれる方だ」:42.9%(1994年)→26.6%(2022年)で減少、コミュニケーション力が低下。
  • 「自分自身の力に自信がある方だ」:61.3%(1992年)→43.1%(2022年)で激減、自己効力感が低く、冒険する気力も乏しい。
  • 「人生において安全なことを選ぶ方だ」または「人生においてチャレンジすることを選ぶ方だ」かという二者選択:2022年で前者は83.5%で、後者は16.5%と未知のことに挑戦する人が少ない。

関沢氏は、非認知スキルを鍛え直すために「異の研修」を進めている:つまり3つの異空間で挑戦するものである:

  • 「異文化」:触れる留学や海外体験の機会を増やそう
  • 「異現場」:日常業務では出会わない「現場」で働く研修。保育や介護の実習なども役立つ
  • 「異次元」:メタバース(仮想空間)での訓練。関沢氏によると最近の研究では、本人に似たアバター(バーチャル・ドッペルガンガー)に擬似成功体験をさせると、現実世界でも非認知スキルが高まると言われている。

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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「トレンド語り:パリ4区の区役所跡、環境学ぶ常設の場に」から 

2022.10.5  日経産業新聞の記事「トレンド語り:パリ4区の区役所跡、環境学ぶ常設の場に」から

区民の意向で「気候アカデミー」を開設

 コラムの著者 竹原 あき子氏(工業デザイナー)は、2020年にパリ市中心部の1から4区が1つに統合され、歴史的な建築が多いこの地区で人口減少地域の使い方について考察している。

◯環境教育のための講演、実験工房、展覧会、情報交換、勉強会などの行事を催す

 竹原氏によれば、統合の要因はここ10年のパリ市中心部の減少で、各区の面積と住民数のバランスをとって再編したという。中心部の人口が減ったのは家賃の高騰や自動車の排気ガスが一因である。さらに新型コロナウイルスの感染拡大で、空室が目立つようになった。

一方、この状況は住民にとってはチャンスで、建物が空き、区民が望む使い方ができるので、各区は住民代表を選んで区政について会合を開くという。この会合の結果、旧4区の区役所跡は「気候アカデミー」に衣替えした。

NPO法人が運営し、環境教育のための講演、実験工房、展覧会、情報交換、勉強会などの行事を催し、基本的に参加費は無料であるという。少し不便になっても行政が区民の役に立とうと努力している姿勢は学びたい。🗼✉️🪪📖🏢🥻👔💡🚕🥬🥕🍞🐱📶📺🦠😷🍲🍵🏢📶📺🏢💡⚡️🌏happy01📂🌍🇫🇷


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:海外で鍛えイノベーション」から

2022.10.4  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:海外で鍛えイノベーション」から

Change formula (変革の公式)とVB、VC

VBやVCが共にもたらすイノベーションが世界を変え、ユニコーン企業を生み出すが、コラムの著者 フィル・ウィックハム氏(SOZOベンチャーズ創業者)は、それに深く関わっている変革の公式(Change formula)について述べている。

○イノベーション環境は海外教育と海外へ送り出す環境づくりも

 ウィックハム氏によれば、変革の公式(Change formula)は、次のように表されるという:

(Vision x Frustration) + First step > Resistance  → Change

というもの。つまり、

 明確なビジョンと現状への不満が合わさり、それに対して具体的な最初のステップが踏まれ、その効用が変革に対する抵抗勢力を上回ったとき、変革が成功する、

という公式である。この中で、起業家は「明確なビジョンを立て」、ウィックハム氏のようなVCは「最初のステップの設計を支援する」と同氏は考えている。

日本国内でもユニコーン企業を生もうと議論が盛んになっているが、日本市場は少子高齢化で経済成長を自国のみで行うのは厳しい。そこで、イノベーションで経済成長をさせようとしている。これは米国も同じで、その教育やシリコンバレーのようなエコシステムで学ぶことは役立つと思われる。上記の変革の公式にあるゼロイチの立ち上げから事業化までの人材が増えることは日本にとってプラスである。

また、起業家の当事者のみならず、これらの教育を受けた人間がコミュニティを形成し、エコシステムを構築することも重要である。シリコンバレーや米国のユニコーン発祥の大学などで教育を行い、その後は学ぶ環境を支援することも重要で学費や生活費支援も重要なファクターであろう。🎾🏏🏓🏸💰🏦👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:酒田市が挑む地域DX」から

2022.9.30   日経産業新聞の記事「SmartTimes:酒田市が挑む地域DX」から

自治体DXでも守りのDXではなく攻めのDXを推進

コラムの著者 石黒 不二代氏(ネットイヤーグループ取締役チーフエヴァンジェリスト)は、山形県酒田市の取り組みを事例に地方自治体のDXについて考察している。

○お金主導ではない住民との接点が多いサービスを目指す

 石黒氏によると、同市役所は2020年にDXの専門部署を新設し、NTTデータの本間洋社長がCDO(最高デジタル・トランスフォーメーション責任者)に就任して注目を浴びているという。補助金申請時の押印を無くすといった業務の効率化である「守りのDX」だけでなく、市民サービスの向上を目指した「攻めのDX」を進めている。

多くの自治体行政の課題は、民間との双方向性が欠いている点であろう。それは同市も同じ状況である。さらに、人口の6割が高齢者である点も見逃せない。しかし、酒田市のDXは民間との双方向性をデジタルファーストによって実現しようとしている。過疎化が進んでいるからこそ、デジタルファーストであり、オンライン診療などの要望に合致している。公共交通も高齢者の多い地域では維持が困難となっており、だからこそ、市役所に行かなくてもできることを増やすことが肝要となる。

多くの市役所などを訪れるのは人生のイベント、つまり出生届や結婚届などに関する関わりだけであった。DXが進めば、もっと通常の生活、ライフに市役所が提供するイベント情報、助成金情報、防災、税金などの情報にも触れてもらえることになる。

例えば新型コロナウイルス禍でワクチン接種を推進し、登録が数千人だったLINEの利用者が10万人の同市で3万人までになった。今後はLINEのログイン時に、個人の嗜好によってコンテンツを出し分けるサービスを提供して、市民の体験を向上させようとしている。

民が多くで主導をとると、お金の匂いがするサービスに陥りがちだが、酒田市ではツールの提供ではなく、住民の体験ありきのサービスを作っている。たしかに時流や技術は変化するが、自治体と住民の接点はより増えていく。結婚、妊活、子育てなど、官が提供するサービスをCX(顧客体験)として提供していくという方向性である。こんごの公共サービスの展開が楽しみである。🏢📱🩺🏥👩👨🚘🚗📶🩺📈😷💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵