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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:AIスタイリスト」から

2023.12.4 日経産業新聞の記事「Smart Times:AIスタイリスト」から

新世代のクリエーターとしてAIスタイリストも認知されるか

コラムの著者 栄籐 稔氏(大阪大学教授)は、SNSで友人がエジプトを旅している写真が目に留まった。だが、本人はエジプトに行っていない。その写真がきれいだったので友人に連絡を取ると、コロナ禍の影響でコロンビアの首都ボゴタに残り、AIを使ったクリエーションを行なっているという。

○AIを駆使してクリエーションの生産性を向上させ、実行前に予測やカスタマイズができる

栄籐教授によれば、友人は元々、世界を旅するイラストレーターであり、ビジュアルナラティブの専門家であるという。会議、書籍、商品の内容や学会の議論など複雑なアイデアと物語をイラストを駆使して視覚的に訴える能力があるという。最近は生成AIを駆使して料理、ジュエリー、ファッションを画像にして表現する仕事をしている。そこで栄籐教授は友人に今の職業を尋ねると、「AIスタイリスト」という答えが返ってきたという。

友人の体験はこうだ:

  • Midjourneyという言葉から画像を自動生成するサービスを用いて、知り合いのヘアスタイルをデザインした。
  • 美容院にいって、どういう髪型にするか悩む人に、さまざまな髪型、メイクの提案をした。
  • 今では食品画像サンプルを生成。その画像は、食品会社やレストランで、料理の本質を捉えた目に麗しい画像を生成している。

この話で、例えばレストランにおいて仕入れの関係でマグロ、サーモン、エビが、ハマチ、鯛、ホタテに変わったとすると、瞬時に提供できる料理の画像を出すことができる。さらに、画像と食材とレシピを関連付けてAIに学習させれば、柑橘系の素材かないとき、他の食材を用いた時の画像とレシピを瞬時にシェフは確認できる。このように生成AIで付加価値のある作業を考えることがポイントである。

多くウェブなどで画像生成AIを活用して対価を得る手法が紹介されている。特に注目すべきは、クリエーターが生産性を劇的に向上させる機会が増えている点である。例えば、

  • ゲームでの視覚資産
  • 映画やアニメーションのコンセプトアート
  • 建築や衣装のファッションデザイン

といった分野である。このクリエティブプロセスが生成AIによって加速される可能性を示す。

さらに、顧客提案だけでなく、実行あるいは実施前に結果を予測することがシミュレーションでき、顧客へのカスタマイズもすぐにできる。AIスタイリストが新世代のクリエーターとして多様な産業で価値を創出して職業としての地位が確立することを栄籐教授は想像している。💇‍♀️🖼️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:マニュアルアワード2023、読ませる工夫、随所に」から

2023.11.1  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:マニュアルアワード2023、読ませる工夫、随所に」から

ベテランの施工業者にも読んでもらい確実な作業を促す

コラムの著者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、テクニカルコミュニケーター協会による「ジャパンマニュアルアワード2023」の最優秀賞を受賞したTOTOのウォシュレット一体形便器ネオレストの施工説明書の工夫について述べている。

○施工経験の浅い若い世代には、CG施工動画の2次元コードで連動を

 高橋氏によれば、内容のわかりやすさに加え、確実に読んでもらえるよう知恵を絞った点が受賞で評価されたという。アワード実行委員長の中原司郎氏は「ベテランの施工技術者にも新人にも伝わる工夫が随所になされている」と述べている。

TOTOがこの読んでもらう確実性を重視する背景に、新製品を投入する度に施工技術者に実際に施工してもらい説明書通りにしているかを検証しているという。検証の結果、ベテランほど説明書を読み流す傾向になることがわかったからである。製品の利用者に安心して使ってもらうには、この確実性が重要だとTOTOにはわかっている。

例えば今回の製品のモデル変更で、ある部品の取り付け方法が変わったという。変更箇所を確実に施工してもらうために、表現方法を変え、裏表紙にも取り付け方を記載。すぐに手に取ってもらえるように、梱包を開くとまず説明書の裏表紙が見えるようにしたという。さらに解説には図を使って目立つようにした。新人には取り付け箇所や手順を動画で作成し、2次元コードでアクセスできるように工夫がなされている。

製品やサービスのUX(顧客体験)を高めるには利用者のみならず今回の施工技術者のように関係者にも情報を伝え、確実に実行するように改善が必要である。🪛🚽🔧📚📗🖥👧👦🛌🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:テクノロジーの再興」から

2023.10.31  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:テクノロジーの再興」から

新技術は脅威ではなく自己変革を促し顧客に本当の価値を届ける契機に

生成AIの普及で人間の仕事がAIに奪われ、既存の業界に破壊的な影響を及ぼすと一部脅威論があるが、コラムの著者 小松原 威氏(WiLパートナー)は、それは今に始まったことではないという。例えば、アマゾン・ドット・コムによる書店ビジネスの破壊がある。しかし、そんな書店業界に復活の兆しがあるという。

◯英米の大手書店の復活劇

 小松原氏によれば、復活劇が始まったのは、米国最大の大型書店チェーンのBarnes & Nobleである。Barnes & Nobleは1886年に創業され、20世紀に繁栄を極め、2008年はピークであった。その後アマゾン旋風で、150店舗閉鎖、大きな損失を出して、当時株価も80%以上下落した。2011年大型書店チェーン2位のボーダーズも経営破たんした。

しかし、2019年にヘッジファンドが買収後、英国大手書店チェーンを経営していたジェームズ・ドーント氏がCEOに招聘され復活劇が始まった:

  • 画一的なものではなく約600の独立した地元の書店のように自主性を与えた。
  • 本社主導の大量仕入れ・大量販売をやめた。
  • 出版社から宣伝費を受け取って店内の最も目立つ場所に宣伝用の書籍を積むこともやめた。
  • 店の店員がおすすめする本を店頭に置いた。
  • アマゾンはあえて競合ではなく、読書文化を広げる存在と捉え、書店は気軽に店で読みたい本と出会い、友人や家族と過ごすコミュニティーの場所と位置付けた。

新型コロナウイルスの感染拡大で読書ブームも追い風となって10年以上にわたって店舗を閉鎖していたBarnes & Nobleが2023年には新店舗を30店舗開いた。

独立系書店の販売を支援するオンライン販売のマーケットプレイスを提供するBookshop.orgもデジタルとリアルの店舗を結びつけ、販売に寄与している。

このように、新たなテクノロジーの出現は脅威ではなく、自身を変革し、本当の提供価値を顧客に提供できるチャンスにもなる。🏬📕🔍👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇬🇧🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「Smart Times:永続の大人向けSNSを」から

2023.10.27  日経産業新聞の記事「Smart Times:永続の大人向けSNSを」から

人生を豊かにし自分の生きた証をネット空間に保存して未来に語り継ぐ

コラムの著者 久米信行氏(iU情報経営イノベーション専門職大学教授)は、これまで全国の経営者にFacebookの活用を実名発信であることや友達向けと一般向けを使い分けられることから責任ある経営者が使うのにはふさわしいと勧めてきた。久米教授自体は多くの経営者仲間が増え、楽しく交流してきたという。だが規模の不経済かシステムとユーザーの不良化が進み、永続的に使える大人のSNSについて提案している。

○死後も有料で永久保管できるSNSは新たな出版や図書館

久米教授によれば、最近友達システムの崩壊が進んでいるという。5千人の上限で新規の追加ができない上に名前だけで友達で実質は交流がない人の検索や削除も難しい。海外からの詐欺まがいの友達リクエストも頻繁に来るという。

さらに記事データベースの限界がある。最近投稿した記事が見つからないし、久米教授は日々感動することを日記兼忘備録として活用してきたのに、これでは役に立たない。

そこで久米教授は、真の友達と生涯続く心の交流を大切にし本気でSNS投稿を続けて記事を遺したい大人向けの有料SNSを提案している。

提案のSNSはフォロアーを増やしバズることが目的ではなく、毎月使用料を払ってでも多忙な全国の友達と智慧と感動を共有して人生を豊かにするための場とする。さらに自分の生きた証をネット空間に保存共有し、未来に語り継ぐ個人資料館としたいという。💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:天は自ら助くる者を助く」から

2023.10.16  日経産業新聞の記事「眼光紙背:天は自ら助くる者を助く」から

経営環境の悪化の中でも自助努力することで好転

コラムの著者は、米国では新型コロナウイルス禍のロックダウンを機に読書人口が増え、さらに書店の努力もあって業界の業績が好転し始めているという。

○苦境の原因を社内に求めて自己変革

コラムの著者によれば、杉田敏氏の「現代ビジネス英語2023年秋号」(NHK出版)の一節につぎのような主旨の内容があるという:

「近所に新しい大型書店がまもなく開店するというのは、ここ何年間でいちばんうれしいニュースです」

アマゾンをはじめ、多くのECの普及で米国でも姿を消しつつあった書店が復活しつつあるという話題である。

新型コロナウイルスの感染拡大でロックダウンを余儀なくされた中で、読書を楽しむ人が増えたという。さらに書店もカフェを併設してくつろげるようにしたり店舗の特色を出そうと努力してきたことで復活しはじめているという。

読書人口が増えた理由の1つに、エコーチェンバー現象の回避があるという。エコーチェンバーとは、自分の好きな情報しか接しなくなり、思考の幅が狭くなるインターネットなどの弊害とされている。さまざまな本と偶然と出会える書店の存在意義が再評価されたようだ。

日本国内はどうか?まだまだ、書店の完全復活には至っていないようである。ただ、書店が立ち並ぶ東京の神田神保町界隈では書棚を作家や読書愛好家に貸し出して、彼らの推薦する本を販売しているといった試みもなされているという。ビジネス的にどうかは不明だが、他の書店との違いを打ち出そうとする姿勢は経営のセオリーに即しているという。

経営環境が厳しいのはどの業界も同じで、それを嘆いて何も自分たちで進めず、行政に支援を求めるような業界は衰退していく業界となっていく。やはり苦境の原因を社内に求め、自己をどう変革するかに知恵を絞る努力が、米国の書店のような苦境脱出と好転する基本であろう。「天は自ら助くるものを助く」のである。📈📉🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸