MindManager のテンプレートを使ってますか?
少し長い文章を書きます。
MindManager を使い始めて５年以上経過して、いろんなユーザーを見てきましたが、MindManager のテンプレートオーガナイザーに登録してあるテンプレートマップを積極的に使っているという人をあまり見たことがないのです。テンプレートを登録するってことは、テンプレートとなるべきマップを作るという努力をする必要があるのですが、これが結構面倒で、ついこれまで作ったマップの中から、今回のテーマに合いそうなマップを探しだし、コピーして、ちょこちょこと改造するというパターンが多いのだと思います。テンプレートを作る、つまりフレームワークを作るという作業は、決して簡単なものではないです。頭の中に、すでにフレームワークが入っている人、フレームワークという考え方で常に仕事をしている人は、すらすらとテンプレートマップが書けてしまうのですが、普通の人は、かなり難しいと思います。私の経験では、これは日本人に共通している特質で、フレームワークを考えるより、即動くものをほしがる傾向にあるようです。MindManagerで言えば、完成したマップを即入手したいということになります。
ならば、テンプレートマップは、本当に役立つものでしょうか？自分で作ったテンプレートは、それなりに枝の意味がわかっているので、再利用するものが容易です。でも、他人が作ったテンプレートマップをもらったとして、それ本当に使えますか？Mindjet社のサイトや海外のサイトでは、MindManagerのテンプレートマップが置いてあって、ときどきダウンロードをしてみるものの、使えません？どうしてでしょうか？英語だからというのはあります。
テンプレートマップは、フレームワークなので、それぞれの枝に具体性がなく、抽象化したものだからです。抽象化した枝を見て意味を理解するには、そのテンプレートマップを作った人と共有している基盤が必要です。例えば、同じ国で育ち文化的土壌が同じ、同じ業界で仕事をしていて業界の常識を理解している、同じ思考方法を理解している、同じ視点を持っている等です。と考えると、テンプレートを理解することはかなり難しいことなんでしょうか？
どんな仕事をする上でも、フレームワークの考え方は、重要！といろいろな書籍、雑誌、セミナーテキストでしきりに書かれています。そんなに重要ならもっとわかりやすく教えろよと言いたくなります。まあ、そこは我慢して。
転職して、まったく違う業界で働くことになったときに、あなたならどうしますか？とりあえず、回りの人の仕事ぶりを観察しますね。ああ、この言葉の意味は、そう意味かあ。彼は、何故ああいう行動をとるのか、この会社は、そういうルールで動いているのかと、観察するうちに、暗黙知が脳に蓄積されていきます。つまり、転職先での仕事の仕方のフレームワークが頭に叩き込まれてくるわけです。フレームワークを学習するには、なにがしかの方法がありそうです。
テンプレートマップの話に戻りますが、他人が作成したテンプレートマップをもらったときに、その枝の意味やテンプレートを活用するシーンを説明してもらえば、なんとか使えると思います。キーワードだけが並んだテンプレートマップをだけを見て、その意味を理解するのは無理ですが、きちんと説明してもらえば、理解できないことはなさそうです。
ですが、テンプレートマップ１枚だけのためにわざわざ説明してくれるような奇特な人はあまりいません。長ったらしい説明書をもらっても読む気しないし、そんなに理解に時間がかかるなら、自分で作ったろうかという気にもなりますし、どうしたものかと考えてしまいます。
テンプレートマップを作成し提供する側にも問題があります。自分の頭の中には、完全にフレームワークが入っているので、キーワードだけ書いたテンプレートを書くほうが簡単で、それを他人に、ほいっと渡すだけになってしまいます。テンプレートを作る側と利用する側のギャップは、あまりに大きいのです。マップを共有しようとするシステムは作れたとしても、そもそもマップそのものの共有に価値を見つけることができるのでしょうか？それは、夢物語？
MindManager でマップを書くことは、暗黙知を形式知に変換するすぐれたやり方です。しかし、上に書いた問題があることも現実です。はて、どうしたものか？
次回に続く．．．．．(近いうちに)
先進企業ユーザーが活用事例をレクチャー！「MindManager7 導入事例セミナー」開催
MindManager Pro 7 体験版 MindManager Pro 7対応スタンダードアドインパック
MindManagerで情報をビジュアル化する事例が、『マインドマップ 仕事術』、『マインドマップ 図解術』に書いておりますので、参考にして下さい。
コメント