製品情報

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:データで青果物の事業者間取引促す」から

2021.9.21   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:データで青果物の事業者間取引促す」から

農協改革の一環で委託販売から買取販売への移行のモデル

 コラムの著者 窪田 新之助氏(農業ジャーナリスト)は、新型コロナウイルスの感染拡大で巣篭もり需要で盛んになったのは青果物を直接取り引きをするECサイトだという。さらに、書いても売り手もともに事業者である取引も広がってきているという。

◯産地間で同じプラットフォームが使えれば応用が広がる

 窪田氏によれば、Tsunagu(静岡県富士宮市)が7月から運営する「Tsunagu Pro」の利用者はともに事業者で青果流通業界でデータ活用による新たな連携を始めたという。まず、このB2BのECで売り手は主に地域のJAである、買い手は最初にTsunagu Proを導入したJAはだの(神奈川県秦野市)では量販店や食品卸、学校給食事業者である。

Tsunagu Proは売り手も買い手もスマートフォン一台でこなせる仕組みになっている。まず、JAはだのを例に取引のしくみを追ってみよう:

  • JAはだのは国内最大級の農産物直売所「じばさんず」を運営している。1〜2週間で出荷できる品目やその量と等級、日時などを取引先に提案。
  • 取引先の注文があれば農家に発注する。
  • 逆に取引先からの提案を受けることもできる。
  • 発注を受けて農家はいつも通りじばさんずに出荷するだけである
  • 取引先に出荷する分だけ保冷庫に保管する。まとまった分だけ分荷して送り届ける。
  • 取引の帳票類も紙ではなく、デジタルで入力と印刷ができることで事務のリスクとコストが削減できる。
  • じばさんずでは地元のみならず、関連した地域と提携し地元にない農産物も扱えるkとから、生産の平準化が可能となる

このように、JAの委託販売方式から買取方式への転換が可能となり、今後このB2BのECが共通プラットフォームとして展開できればより需給バランスがとれ、売り手買い手双方に無駄が少なくなる。🥕🥬🍅📸🖨🧅🚜💻✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🗻🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ビールでストーリー追体験、顧客との共創、新形態」から

2021.9.17  日経産業新聞の記事「西川英彦の目:ビールでストーリー追体験、顧客との共創、新形態」から

コロナをバネに顧客体験も進化

 コラムの著者 西川 英彦氏(法政大学経営学部教授)は、2018年から開始したサッポロビールの「ホッピンガレージ」のケースで顧客体験が製品開発の鍵になることを紹介している。

◯顧客の人生ストーリーを取り込む商品開発

 西川教授によれば、モノからコト消費に変わり、顧客に提供する価値は製品から利用体験に移っている中で、顧客との共創でも顧客体験が開発の鍵になると示唆している。西川教授は、好例としてサッポロビールの「ホッピンガレージ」を紹介している。

この企画は、モノである新製品開発を目指したものであったという。以下はその流れである:

  • 顧客から飲みたいビールの企画案を収集
  • 審査を経てアイデアが採用されると、顧客とブリュワーの開発会議
  • 開発会議を通ったものは約2ヶ月後ビールを完成
  • ビールファンのイベントで採用品を公表し試飲で乾杯
  • 評判が良ければ、極小ロットで商品化しネットで販売

この過程で20品目の試作品が開発され、「もぐもぐして探検するハニー」や「おつかれ山ビール」などの9品目が商品化された。この商品化のプロセスで企画したサッポロビール側にも気づきがあった。顧客との共創を通じて提供できたものはビールではなく、顧客の人生ストーリーを深く味わいながら飲めるというビール体験であると気づいた。

その時、新型コロナウイルスの感染拡大でリアルの試飲のイベントが難しくなった。そこで2021年4月より開発プロセスを以下のように変えた:

  • ビールの企画案→ビールにしてみたいストーリーで応募
  • 同社自前のネットラジオで語ってもらう
  • 視聴者の「いいね」数などをもとに共感されるストーリーを抽出
  • 採用されたストーリーで顧客との開発会議
  • ストーリーを追体験できるビールを作る
  • 製品は隔月の定期便としてネットで直販

とした。まずラジオの導入は画期的で、語る方も聴く方も媒体の共有がしやすい。ラジオはYouTubeに記事付きで動画投稿を行なっている。これがコミュニティー作りにも役立っている。さらに、定期便の採用で定番と新作がセットになって、都度販売ではない。つまりコミュニティーに定期的に販売することで安定生産ができるようになった。

新しいファンとの共創も成果はこれからであるが、アフターコロナの新常態でも通用するマーケティングに発展する可能性もある。

 

 

 

 

🩺💊🏥📷💻🍺🦠🎓🏢📈🔎⚡️🌍happy01📶👦👧💡🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:『Wi-Fi中継器取説』利用者視点で一新」から 

2021.9,15 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:『Wi-Fi中継器取説』利用者視点で一新」から

コロナ禍で利用者急増の取扱説明書の対策

コロナ禍でテレワークやオンライン授業が増え、より快適に利用するために自宅でのWi-Fi環境を見直す人が増えている。 コラムの著者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、Wi-Fi環境を改善するための機器の取扱説明書を評価している。

○利用者視点が高評価

 高橋氏が、今回取り上げるのはWi-Fiルーターや中継機を開発するバッファローである。今回コロナ禍でテレワークやオンライン授業が増えるために自宅でのインターネット環境を見直す人が増えたことから、同社の機器の需要が増えたという。

そこで課題となったのは、

  • Wi-Fiでインターネットに接続できない
  • 設定がわからない
  • 取扱説明書を見てもどこに書いてあるのかわからない

といった問い合わせが増えたことだという。そこで、取扱説明書を構成から見直し問い合わせに対応することにした。まず、従来3枚に分かれていたが、表裏1枚で印刷された説明書形式にした。今春のモデルでは、「はじめにお読みください」と「セットアップガイド」の2枚に整理して基本設定はこれでわかるようにした。取扱説明書には

  • 取扱説明書の全体の構成と役割を記載
  • 説明書に製品の概念を伝える図解を加えて明瞭にした
  • さらに詳細に設定したり、関連ソフトの使い方が調べやすいように、ウェブマニュアルへのリンクはQRコードにして紙マニュアルの目立つ位置に配置した

といった配慮を行なった結果、テクニカルコミュニケーター協会からジャパンマニュアルアワード2021の一般部門優秀賞で表彰されたという。📗🦠😷🖥👧👦🛌👧🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:お米のプラスチック、新潟から世界へ」から

2021.9.15   日経産業新聞の記事「TechnoSalon:お米のプラスチック、新潟から世界へ」から

プラスチック問題、食糧安全保障、農業の地方再生などの解決に

 コラムの著者 近藤 正幸氏(開志専門職大学事業創造学部長)は、石油由来のプラスチックは海洋汚染と地球環境問題を引き起こすとして削減が求められている中で日本らしい解決法を示している。

◯海外にも展開

 新潟コシヒカリなどブランド米の産地である新潟県魚沼市。近藤氏によれば、そこでバイオマスレジンという材料を製造している「バイオマスレジン南魚沼」についてプラスチックゴミの社会的課題の解決策につながると紹介している。

プラスチックは通常、石油由来のレジンを使っている。バイオマスレジン南魚沼では、石油ではなく、県内のお米(多くはクズ米と呼ばれる非食用)を原料として植物由来のレジンを製造している。植物由来のレジンはバイオマスレジンと呼ばれ、海外ではトウモロコシやサトウキビなどから作ることもあるという。

生産拡大による原料の確保は、食用に余り適さないバイオマスレジン用のお米を耕作放棄地を利用して栽培しようと企画している。これは日本の農業再生にも地域の再生にもつながるという。非食用とはいうものの、お米には変わらないので食糧危機の際に非常食糧源として利用できる。つまり食料自給率の低い日本の食糧安全保障につながる。

バイオマスレジン南魚沼のお米が原料のバイオマスレジンは商標名「ライスレジン」と呼ばれ、箸やスプーンといった食器や弁当箱、玩具、クリアファイルなどに加工されているという。企業や地方自治体、日本郵便などのレジ袋やゴミ袋にも利用されているという。地球環境問題を追い風に同社は新潟県以外のライスレジンの生産を拡大する計画があるという。国内では熊本県、福島県、海外では中国、ベトナムで地元企業と提携して生産する予定だという。📸🖨🧅🚜💻✏️🏙🌾🍓😅🏃‍♀️🏠😷🦠❄️🍅📖🔎⚡🌍happy01🗻🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:品揃えの難しさ、顧客を絞り込むことも重要」から 

2021.9.3   日経産業新聞の記事「横山斉理の目:品揃えの難しさ、顧客を絞り込むことも重要」から

多様な顧客ニーズに小売は「広く」「深く」だが

 コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、多様な顧客ニーズに対して小売事業者が留意すべきマーケティングのポイントを語っている。

○新規購買者も注目するがリピート購買者も大事にしたい

  横山教授によれば、小売店は品揃えが「広くて」「深い」方が望ましいという。「広い」とは扱う商品カテゴリーが多いことであり、「深い」とは商品カテゴリー内のバリエーションが多いことであるという。広大な売り場をもつスーパーマーケットは広くて深い品揃えを行なっている店の典型である。

  • チェーン化された大企業は販売量が多く有利な取引条件で仕入れができる。資金に余裕が出ると、結果的に幅広く深い品揃えがしやすい。アイテム数は1万から10万点
  • コンビニエンスストアの2倍ほどの店舗面積であるミニスーパーでは、アイテム数は3000〜4000点程度。スペースが許す限り広くて深い品揃えを心得る
  • 広くて浅い品揃えはコンビニエンスストアで、アイテム数は2000〜3000点。

ただ、問題は、品揃えが「広くて」「深い」ものでも顧客を満足させることができない場合もあり、「狭くて」「浅い」品揃えでも顧客を満足させる店もあるという。顧客を広く取り込もう(=誰にでも好かれよう)とするほど前者に陥りやすく、逆に顧客を絞り込む(=特定の人に好かれればそれで良いと割り切る)ほど後者を実現しやすいという。

競争が激化・複雑化している小売業こそ、顧客を絞り込むことが極めて重要であると横山教授は指摘する。品揃えは、売り手の目線で広くて深いことが重要なのではなく、買い手から見て満足であれば十分である。

さらに新規購買を生み出すコストとリピート購買を実現するコストを考えると、前者よりも後者の方が望ましい。新規購買者も注目するがリピート購買者も大事にしたいところだ。🛒🍆🍅🐟🏃‍♀️🚥🏪😷🎁🎓🏪🚚📦💡⚡🌍happy01🏪🇯🇵