科学

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:細い情報伝達経路に頼る航空管制」から

 2024.2.7  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:細い情報伝達経路に頼る航空管制」から

情報伝達の冗長性を増やしヒューマンエラーと事故防止の対策を

コラムの著者 山﨑 弘郎氏(東京大学名誉教授)は、かねてから心配していたことが羽田空港で起こった。日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突事故を起こした。詳細な事故原因に情報の認識が当時の関係者に相違があったことのようだという。

○聴覚に頼る無線電話による管制には限界

山﨑教授によれば、海上保安庁の航空機は滑走路手前の遊道路上で待機という管制官の指示を離陸許可と誤認し、滑走路に進行した。一方、管制官は滑走路上の危険を指示する警報を見落とした。日本航空機のパイロットは、夜間のためか滑走路上に停止している海上保安庁機に気付かなかった。

山﨑教授が心配していたことは、管制官の指示やパイロットの現場での確認がいずれも聴覚に頼る無線電話だけに依存している点だという。つまり情報伝達の経路が「細い」点だという。経路が細いと情報伝達の冗長性がなく、多くの情報を多種の手段で送れない。見落としや誤認を防ぐ手段が手薄になるという。

山﨑教授はここで鉄道の管制について例示している。鉄道では単線区間の駅間の線路に1本以上の列車が進入すれば衝突の危険があるために「タブレット」というリングを指定し、駅の停車時に受け渡しを行うことを義務付けている。1個限定のタブレットで1区間にタブレットを持った1列車以外に進入できない仕組みで衝突事故を防いでいる。人間の認識に頼らず、モノの存在だけに依存するシステムで人間が介在する余地がない。

航空路は、単線区間の鉄道ほど単純ではなく、空港はすべての飛行機に開放されており、タブレットのように1機のみに制限するモノはない。離発着する航空機を認識し把握、適切な指示を行うのは管制官である。しかし、滑走路全ての状態を認識することは困難で見落としが生じる。滑走路上にはレーダーなどで検知して表示し、警報するシステムが管制室にも存在したが、高密度の離発着のために見落とされてしまった。

対策は細い情報伝達手段を太くすることで、聴覚だけに頼らず、情報表示を関係者で共有できる視覚的手段や接近情報を知らせるトランスポンダ・モードSやADS-Bの利用もある。さらにモノによる伝達経路を多様化して経路を太くするなど、冗長性を増やすことであると、山﨑教授は提案している。✈️🛫🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵🗺️


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:新しいAIインフラストラクチャーに期待」から

2024.2.8  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:新しいAIインフラストラクチャーに期待」から

過去のECや広告、金融、ロジスティックスなどの発展はインフラの進化が促進

新型コロナウイルス禍が低調となった後も地政学的リスクや国際紛争の拡大が続いている。このような中で、コラムの著者 フィル・ウィックハム氏(SOZOベンチャーズ創業者)によれば、米国株式市場では大型IPOやM&Aが進み、イノベーションの一環としてスタートアップの買収も盛んになりつつあるという。

◯各産業分野で1位とそれ以外とは大きな格差ができている

 ウィックハム氏によれば、興味深いことに各産業分野で1位とそれ以外とは大きな格差ができているという。特に、ECや製造業、ロジスティックスなどの分野に加え、ヘルスケアや環境分野のようにこれから急拡大が期待される分野が生まれてきている。また、各分野にAIが活用され、工数減や1対nのコンテンツを制作したり、ビジネスのインフラストラクチャーとなりつつあるという。

AIような新しいインフラストラクチャーが新規事業や新しいビジネスモデルを作り出し、さらに大きな発展につながっていっくと、ウィックハム氏は考えている。すでにECや広告、金融、ロジスティックスなどがICTやDX、AIの導入でどんどんビジネスモデルを変えて行っている。さらに劇的に情報共有や作業のコスト削減がリアルタイム近くで処理でき、これまで望まれていたができなかったことが、できるようになるとウィックハム氏は予想している。👓🎵🎞️🍿🚌🔍👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇺🇸🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:生成AIによる人間拡張、経営参謀としての可能性」から

2024.1.9   日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:生成AIによる人間拡張、経営参謀としての可能性」から

左脳=論理的脳、右脳=感性的脳も拡張する生成AI

コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)によると、2022年を生成AI元年だと定義し、同年11月に生成AIブームを巻き起こしたChatGPTが公開、同年8月には画像系生成AIの「Stable Diffusion」が公開されたという。後者はアニメキャラクターを実写化するYouTuberなどがよく利用しており、三浦教授の大学院生も調査用の画像素材の作成に重宝しているという。ちょうどSNSが人間の「口」の延長線上にあるように生成AIは「脳」の拡張ということもできるという。

◯企業や個人も生成AIを利用

三浦教授によれば、企業では生成AIを資料の作成や整理、情報収集に使い始めている。高校などではChatGTPによる「壁打ち」に使われているという。「壁打ち」とはテニスの壁打ち練習のように、学生が課題を提出し、これにAIがコメントを返し、それを学生がまた修正しといったことを繰り返す行為である。ChatGPTという新たな技術が秘書や家庭教師のような役割を果たし、「脳」の延長線上であることがわかる。

画像系生成AIでは、キャラクター生成などを文で指定すれば、かわいい、強いといった抽象的な内容を分析して、候補をいくらでも提示してくる。このように生成AIは、人間の「左脳=論理的脳」も「右脳=感性的脳」も拡張してくれる。

今後企業においても、経営参謀として生成AIの可能性が期待されているという。🖼️🎨👩‍💻💻🚗🏍️📱🏦💵👕🧼📖👚📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:グリーン水素の立ち位置」から

 2024.1.22  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:グリーン水素の立ち位置」から

フルマラソンの距離(42.195km)で例えると現在のグリーン水素の生産量はわずか15cm

コラムの著者 円山 重直氏(東北大学名誉教授)は、フルマラソンに例えて現在の再生可能エネルギーで生産される「グリーン水素」が話題にはなるが実際は極めて少ない生産量であることを危惧している。

○世界のエネルギーの82%が化石由来 

円山教授によれば、グリーン水素をつかった燃料電池、アンモニアや合成燃料に変換して既存の発電所でも使う研究も進んでいる。しかし、水素の生産の内、グリーン水素の割合を学生も含め専門家に聞いてみると30%という答えが多いが、実際国際エネルギー機関(IEA)の2020年報告では0.04%に過ぎないという。さらに、エネルギー研究所の世界エネルギー統計では、水力を含む再生可能エネルギーによる電力は29%であるが、グリーン水素と呼ばれる自然エネルギー由来の電気分解水素は、全水素の生産量の0.01%に過ぎない。

一方、世界エネルギー統計によれば2022年は石油換算で東京ドーム13,000個分の1次エネルギーを世界が消費した。グリーン水素は石油に換算して東京ドームの0.03個分しか生産されていないという。つまり、世界のエネルギーの82%は化石燃料由来だという。

そこで、化石燃料をグリーン水素に全て置き換える規模感を考察すると、円山教授はこれを試算して、フルマラソンの距離(42.195km)をゴールとした場合、現在のグリーン水素の生産量はわずか15cmに過ぎないという。これでゴールに人類は辿り着けるのか。🔥⛽️🏃🎓🔍✏️📖💡💡👦👧🧑‍🦯👩‍🦯⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️⏰🔧💻🖥📻🖋happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「2024年に賭ける:傍観者から当事者へ、主体的に先端技術を取り込め」から

2024.1.11  日経産業新聞の記事「2024年に賭ける:傍観者から当事者へ、主体的に先端技術を取り込め」から

傍観では世界的な変化、イノベーションの参加者にはなれない

コラムの著者 伊佐山元氏(WiL共同創業者兼CEO)は、在米しているシリコンバレーでの技術の変化について述べ、地政学的にも経済社会的にもリスクが増大している世界で、日本は率先してケーススタディなどを行うことで世界に実践と行動を示していくことで変化のイニシアティブをとるべきだと提唱している。

◯決意を新たに当事者を増やしていく活動を続ける

 伊佐山氏の決意はシリコンバレーでの技術やイノベーション環境、VB投資の変化を見て、日本が世界に展開できるために傍観から当事者として動くことを指している。

2023年シリコンバレーでは多くの危機が襲ったという。3月には地元最大手の銀行であるシリコンバレー銀行が破綻し、それが引き金となって物価上昇、急激な利上げが経済の安定のために行われた。金融危機が落ち着いた矢先にイスラエルとハマスの戦争で、VCや金融関係者は不穏な雰囲気が続いているという。さらにVB投資による資金調達も21年に比べて半減。資金調達が困難となり、企業価値の減損は大きい。

技術では生成AIが脚光を浴びて急速に普及、現存の働き方もライフスタイルにも大きな影響が出始めている。さらに世界での地政学リスクは増大し、日本はしっかりと世界に対してイニシアティブをとることが期待されているし、そうしないと地盤沈下を引き起こす。伊佐山氏は、日本は率先して、先端技術のケーススタディや実証実験、実用化などを行うことで、世界に対して、実践と行動を示していくことでが変化の参加者になる道だと説いている。今やるべきは、傍観者ではなく当事者として行動、実践することだという。📈🚌🔍👚👔💬👩👦💵📶📈💻💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵🇺🇸