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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:カイゼンとテクノロジー」から

2020.10.20  日経産業新聞の記事「新風シリコンバレー:カイゼンとテクノロジー」から

北米の自動車工場にも貢献

 コラムの著者 フィル・ウィックハム氏(SOZOベンチャーズ創業者)は、シリコンバレーのスタートアップに対して若者ばかりが経営しているイメージを持ちがちだが、すでに企業人として豊富な経験を積んでこれを足掛かりに起業するベテランもいることを紹介している。

○VCから投資を受けるのは営業やマーケティングのスタートアップばかりに問題意識をもつ

 製造業の生産性向上を支援するスタートアップ、ドゥリシティ社の創業者、プラサド・アケラ博士はスタンフォード大学で博士号を取得し、日本の産業技術総合研究所のフェロープログラムに参加。2年間、つくば市で研究員として勤め、日本の様々な製造業の現場を歩き、経営層と現場層の双方のたゆまぬ生産性向上への努力に感銘したという。その後、米GMで人と協働するロボットの開発責任者となった。このとき、VCは営業やマーケティングのスタートアップばかりだと問題意識をもち、自身で起業した。このとき50歳を超えていたという。だが、彼を支える主要メンバーも製造業や自動車業界のベテランで、日本企業を含めた海外企業との連携経験も豊富だという。

同社のカイゼンは、生産ラインでの従業員の様子をカメラで撮ってデジタル化して作業ごとにタグ付けを行う。この作業の動きをリアルタイムで分析し、標準プロセスとのズレを可視化して、ボトルネックとなっている作業を検知するものである。ここでキーとなるのは、省人化ではなく、人と機械が協働することで生産性を向上させる点である。すでに、北米の日産自動車、デンソーなどが同社の技術を導入し、トヨタは実証実験中であるという。また、アケラ博士によれば、製造現場では70%以上がまだまだ人手による作業だという。そこにはまだまだ同社の市場性があり、VCも投資領域としては未開拓であるという。このようなスタートアップの動きが、シリコンバレーに止まらず、日本へ逆輸入される可能性も高いという。🛠📰🚗🚘💰💴📖✈️😷💺💻⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🦠🇯🇵🇺🇸


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:デジタル社会の到来、かしこく設計を」から

2020.10.20  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:デジタル社会の到来、かしこく設計を」から

コロナ後に新たな弊害を生まないように設計

 コラムの著者 筒井 泉氏(高エネルギー加速器研究機構・准教授)は、菅内閣の目玉の1つであるデジタル庁の意義と中国の荘子の故事から今後のアフタコロナについて考察している。

◯コロナ禍での意識改革から

 筒井氏も菅内閣が意味するデジタル庁が行政のDXの推進するとのことだがまだまだ不透明だとしている。ただ、マイナンバーから行政サービスの向上を目指すといったことは予見できるが、その先が問題だと筒井氏は語っている。

政府レベルから民間へDX(デジタル・トランスフォーメーション)は広がっていくだろうが、人は慣れ親しんだ仕事のやり方は変えたくないモノで、これが厄介である。それでも、デジタル化に期待が寄せられるのは新型コロナウイルスの感染予防で否応なしで我々の意識改革がおこったのではないか。

1年前には予測もつかなかった在宅勤務やオンライン会議が常態化し、人との交際の仕方など一変したという。ただ、これが短所だけでなく、長所も我々は感じ始めている。これまで無頓着であった社会活動の無駄や弊害があらわになり、コロナがそれを改める大義名分となった。因習的な活動は合理化され、精神的にも余裕がでてきた。となればこの長所を生かし、コロナ以後も通用する設計が重要である。

筒井氏はここで「荘子」の中から:

  • 機械あれば必ず機事あり。機事あれば必ず機心あり

を引用している。ここでの機会は農作業用のはねつるべで、現代ではデジタル化であろう。機心は中国の原典によれば「精神が不安定になって自然のあるべき姿に背く事、を意味するという。さて、故事からみれば今回のコロナ禍はどう見えるのか。😷🦠⚡️💺💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「SmartTimes:変わる消費や時間の概念」から

2020.10.19  日経産業新聞の記事「SmartTimes:変わる消費や時間の概念」から

コロナ禍でネガティブばかりでない未来予測

 コラムの著者 野口 功一氏(PwCコンサルティング パートナー)は、新型コロナウイルスの感染がまだ治らない現状で、意外にネガティブな未来予測ばかりでないことについてふれている。

○消費は欲しいモノから必要なモノに変わった

 コロナ禍がまだ収まらないウイズコロナ、あるいはアフターコロナと呼ばれる新常態で、感染リスクを最小にして生活しようという考えに変わってきたように思えると、野口氏は語っている。

こういった生活様式の縛りはこれまで戦争や災害などの状況では起こってきたが、世界で同時多発的に起こったことは稀有であろう。

この間に多くの未来予測が語られてきたが、ほとんどがネガティブであるように思えると野口氏は感じてあえてそうでない見方を考察している。

例えば、モノの消費は、内向きで他人の目を考えないでよくなり、見せかけや見栄の消費は減り、本当に自分にとって欲しいモノから必要なモノへの消費にシフトした。食品などは必要以上に贅沢で美味しいモノでなくても最低限の機能や健康志向などを考えるようになり、当然ながら自然環境にとっても健康にも良い結果となっている。他人を必要以上に意識しなくなるとストレスも減り自分自身を大事に考えるようになった。他人への関与への時間が減れば、より自分を活かすための勉強や運動などの自己投資にシフトする。そして、デジタル化によって、従来よりもスピードアップされ様々な恩恵が受けられるようになる。そこには少しはポジティブな未来を思い描き、そのマインドを持っていきたい。😲🏪🛒🧺🍅🩺📈😷💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:オンライン講義は悪くない」から

2020.10.15   日経産業新聞の記事「眼光紙背:オンライン講義は悪くない」から

オンラインであれオフラインであれ学ぶ意欲が重要

 コラムの著者は、大学の後期授業の開始に伴って、新型コロナウイルスの感染防止でオンライン授業を開講することについての是非をめぐる議論が続いていることについて意見を述べている。

◯大学バッシングはお門違い

 オンライン授業の是非についてメディアの報道の多くは、

  • 大学のキャンパスに通えない大学生はかわいそうだ
  • オンライン主体なら学費を返せ

といった「お涙頂戴」か、大学バッシングが大半だという。

ところが、新型コロナウイルスの流行以前の日本の大学生はどうであったか。それほど真面目に通学していたのかというといささか疑問があるという。

大教室では後ろから埋まり、遅刻した大学生はやむを得ず、教員の近くの前の席に座るものの、スマートフォンを触り、机の上で顔を伏せて眠っている。もちろん、中には最前列で熱心に講義を聴いている大学生もいるが、日本の大学は何かを学ぶというよりも、単位をとることが通学の目的になってしまっている。ところが、コロナ禍でオンライン講義が始まった途端に、日本中の大学生が教室の最前列で熱心に学んできたような 仮想現実?の議論となっている。

すでに10年前には韓国・ソウルではデジタル大学が存在していた。ビルの中ではオンライン講義の撮影スタジオが並び、制御室やスクーリング用の教室があるだけであったという。数万人の学生を抱え、多くが勤労学生で、全面的なオンライン講義で正式の学士号も取得できる。韓国内で学生の満足度は高い大学であったという。問題は学ぶ意欲で、授業がオンラインであるかオフラインであるかには無関係だ。👨👧🎓💰🚑🩺🛠👖💳🍴🚲😷🦠💻🛠💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏🇯🇵🇰🇷


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「横山斉理の目:時価と定価、チェーン化の功罪」から 

2020.10.16  日経産業新聞の記事「横山斉理の目:時価と定価、チェーン化の功罪」から

自然相手にチェーン化が生んだ歪み

 コラムの著者 横山 斉理氏(法政大学経営学部教授)は、さんまの不漁で価格が上昇していることを例に、小売業における農産物や海産物の扱いについて考察している。

○価格は需給のバランスの上に立つが

  横山教授は、現代で普段使いのもので「時価」となるものを買う感覚はないという。しかし、定価あるいは定価から割り引いて購入するものの中に、本来は時価であることが自然なものがあるという。

それは、自然相手の農産品や海産物であるという。今年は、さんまが不漁で価格が上がったが、理由は秋の味覚を楽しみたい人(需要)は例年通りであるが、漁獲高(供給)が例年の同時期に比べて極めて少ないからである。このように価格は需給のバランスで決まるが、自然環境に左右される物の供給は時として不安定になる。

だが、小売店やスーパーマーケットに行って買う農産物や水産物は、おおよそ価格が決まっているものである。それは、横山教授によれば、小売業者のチェーンストア化にあるという。その理由は:

  • 仕入れ数量を増やすことで生産段階で生じた「規模の経済」を享受できる
  • 同じ品揃え、価格、サービス、雰囲気を同じにするオペレーションで実現する標準化戦略で、そうすることでチェーン全体が管理しやすくなる
  • 常連客を囲うために価格の変動は避けたい

である。しかし、一方で農産物や水産物が自然相手でウィークポイントとなる。そこで、

  • チェーン全体で標準化を放棄する→管理しにくくなる
  • チェーン自体の規模を小さくする→規模の経済の優位性がなくなる
  • 旬のものを低価格で提供することを諦める→顧客の支持が得にくくなる

どの対策も一長一短で悩ましい結果となる。🛒🍆🍅🐟🏃‍♀️🚥🏪😷🎁🎓🏪🚚📦💡⚡🌍happy01🏪🇯🇵