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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:遠隔授業の光と影」から

2020.9.22  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:遠隔授業の光と影」から

コミュニケーションの不足が生む二極化

 コラムの著者 円山 重直氏(八戸工業高等専門学校長)は、前回の遠隔授業の特徴から、対面授業再開での変化について語っている。

◯授業のみならず企業のリモートワークの参考にも

 円山校長は、国内の学校の多くが遠隔授業を行っているが、秋学期を迎えて、対面授業の再開を検討している学校もあると語っている。

そこで、円山校長は、遠隔授業導入前後の比較を行うことで、遠隔授業を行っている学校や在宅勤務を行っている企業の参考にとアンケートの分析を行っている。

  • 遠隔授業が対面授業より効果的にある、または同等:当初は58%だったか、対面授業再開後は47%に減少 (この傾向は、高等専門学校の2年生と3年生に顕著)
  • 規則正しく遠隔授業を視聴した:当初は、92%であったが、73%に減少 (対面授業を一度も経験していなかった1年生に顕著)⇨当初は意気込んでいたが、次第に遠隔授業を受けづらくなったのではないかと想像。同級生とのコミュニケーションが無いままに遠隔授業に入ったので、孤立と不安の中で授業を受けていたことが推察できるという。

さらに、遠隔授業の平均視聴時間は開始直後に比べて増加した。遠隔授業についていけない学生がいる反面、ついていけてる学生は、繰り返し動画を見て理解を深めていたことがわかる。そこで、遠隔授業後の試験では、成績優秀者とそうで無い者と二極分化が顕著になったという。

企業でも、社内のコミュニケーションがない状態で在宅勤務を続けると、遠隔授業と同様に社員の業績に二極分化が起こる可能性があるという。😷🦠💺💻🛠⚓️💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏💡🔎🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「いいモノ語り:ヤマハのQ&Aサイト、利用者目線で困り事探る」から 

2020.9.16  日経産業新聞の記事「いいモノ語り:ヤマハのQ&Aサイト、利用者目線で困り事探る」から

Q&Aサイトの閲覧者の評価を基準に

 コラムの著者 高橋 慈子氏(テクニカルライター)は、新型コロナウイルスの感染防止のために自宅で楽器の演奏をしたりネット配信する人が増え、ユーザーから楽器メーカーへの問い合わせが増えているということから、Q&Aサイトの運営について触れている。

◯「メーカーの前提ではなくお客様の状況に寄り添う」

 こう語るのは、ヤマハミュージックジャパン お客様コミュニケーションセンターの平井 大生センター長だという。コロナ禍で自粛生活に潤いや趣味、癒しのために、在宅で楽器を使う人が増えているという。そうなると、楽器の使い方から周囲に迷惑をかけないためにどのようなヘッドホンが接続できるのかといった質問が増える。そこで、同社としてはQ&Aサイトを運営し、よくある質問の運営を行っているという。さらに、ユーザー、つまりサイトの閲覧者の疑問に適切に答えられたか検証するために、回答文の最後に、「このQ&Aは役に立ちましたか?」と質問して、「はい」、「いいえ」をクリックしてもらう。「はい」のクリック数が増えるように施策を練ってきた。

失敗事例もあるという。ヘッドホンの接続に関して以前から図解を使って説明をしてきた。ところが、「はい」のクリック数が増えず、説明そのものというよりも、回答自体を点検したという。すなわち、ユーザーにとっては、スマートフォンなどで使うステレオミニプラグを使っている人が多く、変換プラグが必要だという認識がないことが判明した。楽器メーカーではステレオ標準フォーンプラグを前提にした説明であったが、ユーザにとってはステレオ標準フォーンプラグには念頭でないので、「はい」のクリック数は増えなかった。そこで、変換プラグの必要性を説明するために図解をいれ、短文で説明した。結果、「はい」のクリック数が増加したという。🎻🎸💻👧🏢🕛📈🏢💡⚡️🌍happy01🌳🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:個人商店から真の会社組織へ」から

2020.9.15   日経産業新聞の記事「眼光紙背:個人商店から真の会社組織へ」から

事業承継のカギは名実ともに会社組織になること

 コラムの著者は、「経営者の事情を理由とする廃業と必要な支援策」(日本政策金融公庫総合研究所 井上考二主席研究員・高木淳夫研究員著 同公庫論集第48号 2020年8月)を紐解き、中小企業の事業承継問題の要因について考察している。

◯「高度な技術・技能」をもつ中小企業こそ事業承継を

 同著によると、廃業理由は:

  • 「後継者を探すことなく事業をやめた」(93.4%)

と大きく、あっさりと廃業した理由は、後継者を探さなかった廃業者は

  • 「そもそも誰かに継いでもらいたいと思っていなかった」(57.2%、複数回答)

であるという。さらにその理由は:

  • 「高度な技術・技能が求められる事業だから」(27.3%)
  • 「経営者個人の感性・個性が欠かせない事業だから」(25.8%)
  • 「自分の興味で始めた事業だから」(25.1%)
  • 「経営者個人の人脈が欠かせない事業だから」(22.1%)

という興味深い結果である。ここで、浮かび上がってくるのは、経営のノウハウを明文化したり、社内で共有する中小企業が少ないということである。

経営者個人の属人性は致し方ないにしても、産業構造を発展させるには、事業継続や事業継承が不可欠である。個人商店から脱却し名実ともに会社組織にならねば、企業規模の増加や取引先の拡大、雇用の増加は望めない。ここに鍵があり、特に「高度な技術・技能が求められる事業だから」の中小企業こそ、事業継承が重要になる。🌆💻🛠💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:キャッシュレス、遠い天下統一」から

2020.9.10   日経産業新聞の記事「眼光紙背:キャッシュレス、遠い天下統一」から

天下統一には次期政権の政治力が必要?

 コラムの著者は、電子決済の戦国時代をペイペイやLINEペイなどの勝者を見ているのではなく、クエジットカード、交通系電子マネーなどを含めた複雑な日本国内の決済の統一の遅れが世界の動向から遅れることを心配している。

◯現金と電子決済、フェリカとコード決済が複雑にからむ日本の決済事情

キャンペーン競争や新型コロナウイルスの感染防止での非接触、現金忌避を受けて世界から遅れていた日本のキャッシュレス化も急激に進んだが、現金をマイナーにするほどの勢力にはなっていない。いかにも中途半端な状況である。原因は、キャッシュレス対応機器の導入コストと決済事業者の乱立にある。

現金しか取り扱えない店が少数派であっても一定規模で残れば、財布を持たないキャッシュレス決済には移行できない。一方、既存でキャッシュレスでスイカなどフェリカが広く利用されていることも事態を複雑にしている。スイカは、駅の改札やバス乗車の決済では極めて優れたシステムである。しかし、店舗や自販機では過剰性能でコスト高、しかも日本国内でしか使えない。キャッシュレス先進国の中国ではQRコードが決済で一本化されたことでキャッシュレス社会の進化を促した。

日本では現金と電子決済、フェリカとコード決済が重複し、技術はあっても不便な「決済途上国」にしてしまっている。そこで、天下統一を市場原理に任せれば、20〜30年は空費となり、日本は完全に遅れてしまう。そこで起こされるのは政治力で強引に進める施策のみであろう。菅新政権ではどこまで政策が出るだろうか。💳🍴🚲😷🦠💻🛠💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:シマノのアナログな『指』」から

2020.9.9   日経産業新聞の記事「眼光紙背:シマノのアナログな『指』」から

仏教の教え「指月のたとえ」から学ぶDX

 仏教には「指月のたとえ」という教えがあり、真理を月に、経典を指にたとえ、月を見ることが目的であり、月を指し示す指は手段だと説く。コラムの著者は、企業が導入するデジタル化やDX(デジタル・トランスフォーメーション)は「指月のたとえ」になっていないかと注意を促している。

◯シマノの社員食堂の事例

 堺市にあるシマノ本社の社員食堂の取り組みが興味深いとコラムの著者が述べている。新型コロナウイルスの感染者が出た時に備えて、テーブルの上に社員番号を書かせているという。もちろん同社も以前から社員カードで食事などの代金を天引きする仕組みはあるが、あえて、紙に書くアナログ的な方法で、どのテーブルから感染者が出たか追跡調査ができることは十分可能である。

顧客にITシステムやデジタル化のサービスを提供している企業なら、おそらく、紙ではなくIoTなどを活用してテーブルに社員カードをかざすと追跡できるシステムを組み込むことは造作がないことであろう。しかし、確かにスマートだがカネもかかるし時間もかかる。

目的は濃厚接触者などを把握することであり、デジタル化はその手段にすぎない。これまで日本企業は、ICTの活用やデジタル化、DXというと、その手段自体を目的にすることはなかっただろうか。DXも働き方やビジネスモデルの改革が目的であるのにもかかわらず、手段が目的にすり替わっている。まさに「指月のたとえ」ではないが、手段を目的と勘違いしないことを願いたい。デジタル化は進めたがDXは進まなかったといった結末を避けなばならない。💳🍴🚲😷🦠💻🛠💡🏢🏠📖🎓⚡️🌏happy01🌏🇯🇵