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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:電子レンジに日本人の知恵、物理現象利用の仕組み開発」から

2018.10.23  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:電子レンジに日本人の知恵、物理現象利用の仕組み開発」から

心臓部は米国人の発明マグネトロンだが、応用は日本人

コラムの著者 和田 昭允氏(東京大学名誉教授)は、1965年以降家庭用として発売され、1981年には40%に普及した電子レンジの開発に関して日本人技術者、研究者たちの努力に触れている。

◯透過性マイクロ波の物理現象を応用

  和田教授によると、周波数1から3GHzのマイクロ波は空気、ガラス、陶磁器、プラスティックなどを透過し、金属では反射されるが水には吸収されて熱に変わるという。この物理現象を応用したものが、電子レンジである。

  • 加熱が速い
  • 食品だけを加熱するので無駄がない
  • 殺菌効果がある

などの特徴をもつ。一方、

  • 高価格
  • 金属製容器やアルミフォイルが使えない
  • 熱効率が悪い
  • 焦げ目がつかない

といった短所もある。

世界最初の電子レンジは米レーセオン社、1961年には国産第1号、1965年には家庭用が発売され、1981年には普及率40%近くなったという。

電子レンジの仕組みは、マグネトロンとよばれるマイクロ波を発振する電子管、電源、冷却装置、オーブンとマイクロ波を導く導波管、乱反射させる金属板、タイムスイッチなどからできている。心臓部にマグネトロンは米国人ハルが発明したが、今日の電子レンジを可能にしたのは、旧大阪帝国大学 岡部金治郎教授が1927年に開発したものだという。応用は日本人の研究者や技術者によるところが多いという。🍲🍴🔧🏢🏠🎓📖⚡️🌏happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ふるさと納税『地場産品』とは何か」から

2018.10.19  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ふるさと納税『地場産品』とは何か」から

自治体職員や住民が考えるアイデアも「地場産品」ではないのか

 総務省がふるさと納税制度を抜本的に見直すとして、寄付金に対する返戻金を3割を超えたり、返礼品が地場産品でないと税優遇の対象から外すという。コラムの著者は、過剰な返礼品競争に歯止めをかけたいという趣旨は分かるが、地場産品に限定するのは疑問があるという。

○地場産品が少ない地域の対策や地場産品の定義はどうなっているのか

 ふるさと納税制度での過剰な返礼品競争の対策であるのは理解出来るが、地場産品に限定というのは、難しいという。「自分が生まれ育った故郷に恩返しをしたい」とそんな気持ちで寄付するひとに自治体が感謝を示す。それを形にしたのが返礼品である。だが、返礼品が必ず地場産品でなければならない理由はそこになない。地場産品に限定すれば、特産品の少ない自治体は感謝を形に出来る選択肢が限られてしまう。また、そもそも何をもって地場産品というのかも難しい。

中にはふるさと納税制度で、財政破綻の危機にあった自治体が盛り返した例もあるという。大阪府泉佐野市がそうで、返礼品は1000種類以上、寄付の窓口になるサイトも9つ、寄付の使途も15項目から選択と設定したことで全国一で135億円の寄付を2017年に得た。これによって先送りにしてきた学校の机や椅子の買い替えなどが可能になったという。

行き過ぎは是正しなければならないが、市財政を必死に考え知恵を絞った同市などのアイデアはまさに「地場産品」ではないのだろうか。🎀💶📈📖📈🌕💡🔎⚡️happy01🌏🏢


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「小野譲司の目;高速道路のトイレ、明るく綺麗に変える」から 

2018.9.7  日経産業新聞の記事「小野譲司の目;高速道路のトイレ、明るく綺麗に変える」から

快適サービスにも目を向ける

コラムの著者 小野 譲司氏(青山学院大学経営学部教授)は、中日本高速道路が取り組んできたサービスエリアでのトイレ革新について語っている。

○並ばないトイレのノウハウはETC料金所の渋滞解消にあり

 小野教授が注目したのは、中日本高速道路のトイレ改革である。高速道路のサービスエリアのトイレを、暗い、汚い、臭いから明るく、綺麗に変えている。2005年からトイレ革新に取り組み、バリアフリーの動線、ベビーベッドや授乳室、ファミリー用トイレ、パウダールーム、外国人観光客にもわかるピクトグラムの案内表示など工夫を重ねてきた。

さらに快適サービスにも目を配り、トイレでは待ち時間の短縮が課題となった。そこで、待ち時間には最適トイレ数と稼働率を特定した同社は、許容時間である2分以上待たせない最適トイレ数の算定法を開発した。

さらに、稼働率に着目すると、多くのほとが出入り口近くのブースや便器を使うことがわかり、奥のブースへの誘導を考え、遠近法を利用した動線誘導や照明を工夫した。また、トイレのIT化を進め、ドアのセンサーと連動して入り口付近に「満室状況」を表示するモニターを設置した。

もともとトイレ改革を推進してきた同社の施設チームは、料金所での渋滞解消なども取り組んできた。そこにはETC料金所の開閉などのデータ解析をしながら得たノウハウや知恵をトイレ渋滞にも活用しているという。🚗🎓📖🏢🏨⚡️🌍happy01💡


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoSalon:ノーベル賞と科学研究環境、過去を教訓、成果には『余裕』」から

2018.10.19  日経産業新聞の記事「TechnoSalon:ノーベル賞と科学研究環境、過去を教訓、成果には『余裕』」から

多くの成果はこれまでの研究環境を維持・向上させてきた結果

コラムの著者 筒井 泉氏(高エネルギー加速器研究機構・准教授)は、先日の本庶佑京都大学教授が2018年のノーベル生理学・医学賞を受賞したことを背景に今世紀、自然科学部門の国別ランキングでは米国に次ぎ第二位である結果の要因について述べている。

◯明治維新後、列強各国にキャッチアップ

  今世紀に入って大きく増加した受賞者数は前世紀の散発的の受賞にくらべ大躍進であり、ラッシュとも言えるかもしれない。しかし、以前の日本はレベルが低いのかというと経済的な制約で西欧との競争に出遅れ感はあったが、レベルは全体としてそうではなかったという。

日本は明治維新後、学制を整え、学術研究の上で西欧列強に対応し始めた時期は、ちょうど当の西欧も産業革命と科学革命の進展が重なった時期で学術研究も体制を大幅に変革していた時期である。この時期に多くの学者や研究者を日本でも開花させたが、ノーベル賞を手にいれることができなかった理由は、筒井氏によれば、研究設備や成果の発信を含めた研究環境に大きな差異があったためだと指摘している。そこから日本は長い時間をかけ、漸くノーベル賞の評価を得るところまできた。その背景に研究環境を維持・向上させる努力が重要である。

しかし、現状はこれに逆行しており、論文の引用数や論文発表数自身の減少を憂う。🔧🏢🏠🎓📖⚡️🌏happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:ESGブームに潜む勘違い」から

2018.10.17  日経産業新聞の記事「眼光紙背:ESGブームに潜む勘違い」から

ESG評価は本来は企業不祥事などリスクサイドの情報が中心

コラムの著者は、上場企業でESG(環境・社会・組織統治)が一種のバズワード(流行語)になっていることを訝っている。

○業績が本来の評価であることを忘れずに

 国の独立行政法人である年金積立金管理運用(GPIF)が2015年に国連責任投資原則の署名機関となったことから、ESGを重視すると表明し、GPIFが投資先を選定する際の指標として使うESG格付け機関には、「どうすれば当社の評価が上がるのか」といった問い合わせが殺到しているという。

どうも日本企業はESGをポジティブ面、すなわち、良い会社を測る尺度と勘違いしているという。欧米の投資事情に詳しい専門家によると、欧米では、ESGは、ネガティブな指標で悪い会社をふるい落とす尺度であるという。実際、格付け機関のESG評価を見ると、「労務」、「製品の安全と品質」「汚職」「税の透明性」といった企業不祥事に関連するリスク側の情報が軸で、「気候変動」や「低炭素戦略」などの社会貢献の項目は比重が低いという。どうも、「評価をする側」と「される側」の目線がずれているようだという。

それよりも、ESG評価がいくら高くても、業績が悪い企業には投資家は目もくれない。この前提を忘れては市場から大きなしっぺ返しを受けるとコラムの著者は注意を促している。💶📈📖📈🌕💡🔎⚡️happy01🌏🏢