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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:土砂つきにくいスコップ、身近な道具も地道に改良」から

2013.6.21  日経産業新聞の記事「市場トレンド私はこう読む:土砂つきにくいスコップ、身近な道具も地道に改良」から

使用者の視点で地道に改良

コラムの著者 栗坂 秀夫氏(パシフィックデザインアソシエーツ代表)は、身近な道具にも地道な努力でロングセラーとなっている商品もあることを説明している。

○作業者の負担を軽減するスコップ『ラクスコ』

創研工業(千葉市、行田隆政社長)が1995年に発売したスコップが『ラクスコ』。販売本数は5万本というロングセラーの商品である。日常的な道具のスコップを、掘った時に土や砂が付着しにくくしたり、軽く楽に使える等の工夫と改良がおこなわれている。基本性能を改良して、広く支持を集めているという。

ラクスコは、スコップの先端部に焼き入れ加工を施し、土砂を削りやすく改良。先端に近い部分に突起を付け、土砂の付着を防止している。これは、掘り起こした土砂を簡単に放り投げやすくする工夫である。柄の部分は縦長の楕円形にして握りやすく、掘り起こしの際の上下動がしやすくしている。

かわったところでは、「土がつかない」ということから縁起を担いで、相撲部屋の土俵作りにも使われているという。

○団塊の世代をターゲットに

家庭菜園など土に親しむ年代も高齢化することで、安全性と使いやすさ、耐久性が要求されることから、ラクスコは20年前の販売から今そのニーズを満たす商品となっている。この地道な改良には脱帽である。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:大型蓄電池」から

2013.6.20  日経産業新聞の記事「高岡美佳の目:大型蓄電池」から

脆弱な送変電設備に対応した蓄電池技術

コラムの著者 高岡美佳氏(立教大学経営学部教授)は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の適用から1年がたち、各地で太陽光発電設備の導入が急速に進んでいる中で、その3割弱が広い土地と地価の安さから北海道に集中していること対する課題について語っている。

○北海道の設備の課題

先ず、電気はその性質上、ストック出来ず、供給と需要を常時マッチングする必要がある。出力の変動が激しい再生可能エネルギーでは、送電や変電設備の余裕が必要となる。ところが、北海道の脆弱な送変電設備では、余裕がとれないのが現状である。

そこで、経産省は、この課題を解決するために、変電所に大型蓄電池を設置するという対応策を打ち出した。蓄電池を発電所や発電機に付属することはあったが、変電所に設けるのは世界でも初という。

○有力なレドックスフロー電池

住友電気工業が1080年代から技術開発してきたこの電池は、次のような特長があるという。

  • 寿命が長い
  • 常温で反応するため安全で大型化に適する
  • 電池反応を行うセルと電解液を貯蔵するタンクが分離しているため、大型タンクにすると蓄電池の容量を自由に増やせる

このレドックスフロー電池は、北海道のみならず、日本全国で太陽光発電や風力発電の進展で有力視されると高岡教授は予想している。大型蓄電池は汎用化しにくいことから、国際競争力が長く維持できるとも言われている。再生可能エネルギーの普及と日本メーカーの成長戦略上も北海道での試みは重要だという。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑱:具体的なイメージ法」から

2013.6.20   日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑱:具体的なイメージ法」から

具体的な説明に必要な3つのポイント

コラムの著者 清水久三子氏(アンド・クリエイト代表)は、企画で重要となる具体的な説明について相手にリアリティあるメッセージとなる3つのポイントについて解説している。

○具体的にする3つのテクニック

①数値を相手のリアリティーに変換する:時間、面積、距離などを相手の身近な単位の数値に置き換える

ここでの起こりやすい誤解として清水氏は、

  • 事実情報は具体的である:技術者や専門家に多い誤解
  • 数字が具体的である:経営者や財務・経理部門、学者に多い誤解

で、その分野に属している人にとってはリアリティーを感じさせる情報や表現が、全ての人にとってそうでないことに気を付ける。

(例)1000時間ではなく、毎日3時間に置き換える

②特長を相手のメリットに変換する:特長によって相手がどんな良いことがあるかという表現に置き換える

特長は『それによって何が出来るか』という相手のメリットに置き換える。

(例)「史上初」⇒「初の一体型製品のため、設置場所が半分」

③行動を特定する:経験の少ない人にとって必要な行動を分かりやすく伝える。

ここで、同じことを伝えるにも、数値で「何回」「何分」といった表現がよいか、「○○になるまで」といったイメージを伝える方がよいのか、相手がどちらのタイプかを見極めるとよいと、清水氏は語る。

相手にとってリアリティーを考えることで企画書は驚くほど具体的になる。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:リアルタイム空席情報、店舗負担かけず効率誘客」から

2013.6.19    日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:リアルタイム空席情報、店舗負担かけず効率誘客」から

店舗運営にデータ活用

コラムの著者 面川真喜子氏(マーケットプランナー)は、飲食店での空席情報などデータを活用し売上アップを考える動きについて解説している。

○飲食店向けITサービス

居酒屋などで注文を受ける際に使うハンディターミナル、この入力装置を使って、POSと連動し、注文情報を管理する『オーダーエントリーシステム(OES)』。OESに登録された注文データから混雑状況を分析し、空席情報として顧客のスマホに情報を提供するといったサービスが東京都内370店舗で試験的に導入されている。

このサービスは、ほぼリアルタイムに、店舗側の負担をかけず、効率的に送客、誘導ができることが特徴であるという。また、電子クーポンも客単価と混雑状況に応じて発行、発行停止ができ、店舗側、お客の両方に利便性を確保するという。

また、リアルタイムの強みを生かし、食材在庫の最適化といった店舗経営の効率化も図れる。

日本の飲食業はこういった意味でデータの宝庫だという。また、分析を誰におこない情報を提供するかでも応用範囲が広がる。面川氏も消費者・店舗商法により使いやすく、メリットのあるツールをブラシュアップし続ける必要があると説いている。happy01restaurant


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:パッケージが冗舌なワケ」から

2013.6.18   日経産業新聞の記事「ネーミングNOW:パッケージが冗舌なワケ」から

景気低迷による需要縮小が原因

コラムの著者 ネーミング&コピーライターの岩永嘉弘氏は、長めのネーミングのワケについて解説している。

○長いネーミングの流行

  • ミツカン:『カンタンいろいろ使えま酢』(食酢)
  • 桃屋:『辛そうで辛くない少し辛いラー油』(ラー油)、『スープがおいしいカレー鍋の素』(鍋だし)
  • 日清紡ペーパープロダクツ:『シャワートイレのためにつくった吸収力が2倍のトイレットペーパー』(トイレットペーパー)
  • ダイヤモンド社:『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら』(ビジネス書)

など、最近あらゆる分野で長いネーミングが流行っているようだという。つまり、長い名前が書かれているラベルや包装が広告塔となって自己主張しなければ、需要縮小の競争で勝ちえないといった背景があるようだ。景気が悪いと商品の開発数は増え、1商品にかける広告費が小さくなり、中には広告してもらえない商品もでてくるという。

こうなると店頭で体を張って広告するしかない。これが、パッケージの広告化であると岩永氏はいう。個別商品も一所懸命に魅力的な語り口になる必要がある。happy01