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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:世界標準の文書作成手法広がる」から

2013.4.23   日経産業新聞の記事「マニュアルNOW:世界標準の文書作成手法広がる」から

企業内研修やe-ラーニングに拡がるDITA

コラムの著者 高橋慈子氏(テクニカルライター)は、増大の一歩を辿る製品やサービスの情報をいかに効率よく作成し、効果的に届けるかといった課題を解決するために世界標準「DITA」(▶参考)について解説している。

Darwin Information Typing Architecture (DITA)とは

原理的にはXMLを使って、文書の内容をモジュール化して、部品を組み立てるように各種文書を作成する手法である。この時、共通部品にあたる文書の共通部分を再利用することで効率化しようという。

高橋氏のコラムではその構造についての解説と言うよりもドキュメント制作手法としてDITAの採用面について語っている。

○国際会議での話題

DITAをテーマとする国際会議「CMS/DITA北米会議」(4/15-17, 米ロードアイランド州プロビデンスで開催)に高橋氏が参加して今年の会議での特徴を報じている。

今年は、70を超える発表の中で「ラーニング&トレーニング」のテーマが増えたとのことである。

  • SAP:システムを利用するためのオンライントレーニング向け教材の作成・運用にDITAを導入。効率化とコースの拡充が図れたという。
  • ベオグラード・メトロポリタン大学(セルビア): eラーニング教材の活用事例を報告。受講者のレベルに合わせて、複数のカリキュラムを提供することにより、より理解が深まり、成績向上につながったという。

何れにしても、無手勝流でなく、論理的な文書体系は今後産業界、教育界に影響を与えるだろう。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:プログラマーを解放せよ」から

2013.4.22    日経産業新聞の記事「眼光紙背:プログラマーを解放せよ」から

破壊的イノベーションの根源

コラムの著者が語るのは、新経済連盟主催で4月16日に開催された「新経済サミット2013」でのイノベーション論議である。

○登壇者で異彩をはなったプログラム言語「ルビー」の開発者まつもとゆきひろ氏

アンドロイドOSを開発したグーグルのアンディ・ルービン上級副社長、ツイッター創業者のジャック・ドーシー氏などICT業界の大物がそろった同サミットで、コラムの著者は、まつもと氏が異彩を放っていたという。

日本から破壊的イノベーションを生み出すという議論で、同氏は、

『今はたった一人のエンジニアが1年で世界を変えられる時代です。しかし、日本の優秀なエンジニアの大半は大企業の中で事業計画に沿って、つまらないプログラムを書いている』

『せめて、彼らに(勤務時間外に)好きなプログラムを書くことを邪魔しないでほしい。20年前、窓際プログラマーだった僕は一人で細々とルビーを作り、ネットで公開したらヒットした。(大企業に囲い込まれている)エンジニアを”放流”すればイノベーションが生まれるはずだ』

と語っている。プログラマーの解放が日本のイノベーション人財の確保につながるには、こう言った視点が重要だ。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「TechnoOnline:まじめな国フィンランド。エネ自立、原発でつなぐ」から

2013.4.19   日経産業新聞の記事「TechnoOnline:まじめな国フィンランド。エネ自立、原発でつなぐ」から

福島の原発事故、周辺国との関係でエネルギー政策を決めた欧州諸国

コラムの著者 北沢宏一氏(科学技術振興機構前理事長)が興味深い視点から欧州諸国の原発と自国のエネルギー政策を語っている。

○フィンランドの高レベル放射性廃棄物処理施設

北沢氏によると、場所は、フィンランドのトンネルで地下にあり海面下400メートルに設置されているという。使用済み核燃料を世界で唯一10万年以上も長期保存するもので、トンネルの場所を指定して、住民も民主的なプロセスでそれを受け入れたという。

このような保存を行う背景としてフィンランドは、旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所の事故が影響を与えているようだ。事故後リスクに27年間悩んできた北欧の姿であるという。

○欧州諸国の事情

北沢氏は、以下のような経験則があるという:

  • 日本よりも小さな経済先進国は脱原発する:スイスは福島事故の規模が起これば、観光産業などで国自身が持たないとの意見もあるという。ドイツ、スウェーデン、オーストリア、イタリア、ベルギーまどは脱原発を決定した。ただし、スウェーデンは原子力削減よりも先に化石エネルギーの削減を選んだ。
  • 東欧諸国は脱原発できない:フィンランドは日本の9割程度の面積。しかし、福島原発事故後も原子力増強策をとる。原子力のリスクよりも、巨大な隣国から化石燃料エネルギー、安い電力が供給可能であれば、エネルギー自立のため、再生可能エネルギー化政策の推進のつなぎとして原子力を使わざるを得ない。

日本の場合、廃棄処理はどうなるのか。エネルギー政策と共に熟考しなければならない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑩:ピラミッドで表作成」から

2013.4.18   日経産業新聞の記事「YES引き出す企画書⑩:ピラミッドで表作成」から

体系化した項目で表をつくり結論を一目瞭然に

コラムの著者 清水久三子氏(日本IBMでコンサルタント育成などを担当)は、企画書で多くの数字や情報を表示するには表は適しているが、使い方を誤ると読み手に理解されない事があると語る。

○表の特徴を捉えて利用する

【避けたい表】

  • 何十行もある表を加工せずにそのまま企画書に貼ることは避ける:グラフなどの視覚的な効果を利用すること
  • 表で伝えたいメッセージを表わしていない:メッセージが「急激な伸び」を示したいなら、数値ではなく、線グラフを利用する
  • メッセージがない表:読み手に判断を委ねることになり、企画書の狙いである、相手の行動を引き起こすことはできない。

【選択肢を使った表】

グラフの利用ではなく、表をつかう場合として清水氏は、選択肢を比較する「比較表」が有効であるという。

  • 縦軸と横軸の好転で情報をまとめた「星取表」形式:メッセージは数値以外の選択肢や対応を並べ、基準を決めて、○×等の記号で示す。
  • 多くの選択がある場合:ロジックツリーを書いて、ピラミッド状に大・中・小の分類を行って体系化する。

多くの選択肢を分類する際は、内容を分解して共通項でまとめる、因数分解をおこなうと良いと清水氏は薦める。最後に、ノイズとなる細かい罫線などをカットすれば見やすくなる。happy01memo


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:レザーブレード商法」から

2013.4.18  日経産業新聞の記事「三浦俊彦の目:レザーブレード商法」から

レザーブレード(かみそりの替刃)商法の得失

コラムの著者 三浦俊彦教授(中央大学商学部)は、ネスレ日本の一杯抽出型コーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」が好調に入れている背景に、レザーブレード商法などの得失について語っている。

○戦前のかみそりメーカーに由来するレザーブレード商法

ジレットが、本体は安く売り、替刃需要で儲けることに由来して、レザーブレード商法と呼ばれる。本体を買ってもらえば、後は交換消耗品の長期的需要で儲けられるので「虜(とりこ)プライシング」ともいわれている。

ネスレ日本は、同社のインスタントコーヒーをバリスタにセットすると、高圧抽出して泡立たせた本格感のある「エスプレッソ」「カプチーノ」などが簡単に作れる。バリスタ本体の希望小売価格は9千円。そこでは利益は取れないが、インスタントコーヒーの入った自社独自のカートリッジの販売で稼ぐ。本体の価格を抑え、家電メーカーの追従を許さないという戦略である。

最初安いのは、その後の交換消耗品などを利用してもらう仕組みで儲けるからである。同様の商法は、インクカートリッジの定期交換が必要なプリンターやコピー機もそうである。「携帯0円」などの店頭表示がある携帯電話やスマートフォンも、初期費用は安く、その後の通話需要で稼ぐことから同様の商法である。

○かみそり業界でもレザーブレード商法に逆らう貝印

業界3位の貝印は、他社のレザーブレード商法に追従しないで、替刃を2005年大幅に値下げした。しかし、浸透は進まなかった。ここにきて、替刃の価格比較などを店頭表示して、消費者に訴求している。

消費者も、初期費用と運用費用の視点を持つことが広がってきていることから、貝印の訴求も前回とは変わった展開になると三浦教授はみている。happy01