Previous month:
2011年8 月
Next month:
2011年10 月

2011年9 月

【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:『持たない消費』賢くオシャレ」から

2011.9.21  日経産業新聞の記事「流行ウオッチング:『持たない消費』賢くオシャレ」から

レンタルドレス人気の背景に女性の厳しい目

コラムの著者 アイランド代表取締役 粟飯原理咲氏は、賢くオシャレをしたい20から30代の女性層を中心に、「レンタルドレス」の利用者が増えているという。ブランドバッグやドレスを所有したいという欲求がなくなってきているというのだ。

レンタルドレスやレンタルブティックといえば、これまでは冠婚葬祭などのイベントが中心。最近は、友達とのパーティーといった、ちょっとおしゃれして出かけたいといった日に気軽に使われている。さらに事前にウェブなどでコーディネイトの見本などをチェック。当日返却でドレス一着とボレロ、靴、アクセサリーなどすべてレンタルで1万3500円程度と手軽だという。

流行が毎シーズン移って、しかも何度も着る機会のないドレスは結局たんすの肥やしになる。リサイクルブームもあって、無駄な消費を避けながらおしゃれを楽しむことができるのが最大の支持理由だという。

持たない消費に、F1層も気付き始めている。メーカー各社も買ってもらうことから借りてもらうことへ視点を変える必要があるかもしれない。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像⑰トム・ピーターズ」から

2011.9.21  日経産業新聞の記事「マネジメントの肖像⑰トム・ピーターズ」から

データより人間を重視する能力向上を説く

コラムの著者 ブース・アンド・カンパニー ディレクター岸本義之氏が示す今回の人物は、1980年代に米国企業に自信を持たせた『エクセレント・カンパニー』の共著であるマッキンゼーに在籍したトム・ピーターズ(▶ 参考)である。

Tom

1980年代は日本企業の躍進した時代であり、欧米の経営者が自信を失った時期でもあったという。『エクセレント・カンパニー』は、サブタイトル『米国で最も優れた経営が行われている企業からの教訓』からも分かるように、自信を失った米国にも優良企業があったことは、ベストセラーとなる要因でもあった。「日本だけがベストプラクティスではない」と。

米国で最も問題であったのは、経営管理の小道具に目を奪われ、より高い次元の技法に考えが及ばなくなったところであった。「データよりも人間を重視せよ」が当時のピーターズらの処方箋であった。

【エクセレントな企業が持っている特徴】

  • 行動の重視
  • 顧客への密着
  • 起業家精神
  • 人を通じた生産性
  • 現場的な価値観
  • 基軸への執着
  • 単純な組織
  • 自由と厳しさの併存

これらの特徴に対して、組織のあり方は組織図の構造ではなく、「7つのS(strategy、structure、system、skill、stuff、style、shared value)」に着目し、組織の人間的な側面を重視した:

  • 戦略
  • 構造
  • 制度(システム)
  • 技術(スキル)
  • 人(スタッフ)
  • スタイル
  • 共通の価値

前回のポーターでは、儲かるポジショニングをどう取るかにあったが、ピーターズらは人々に正しい能力を身につけることを説いた。happy01


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「米、特許先願主義に転換」から

2011.9.20  日経産業新聞集の記事「米、特許先願主義に転換」から

1980年以来の特許重視政策の弊害を改善

コラムでは、米オバマ大統領が署名した改正特許法案を話題にあげ、米国政府の特許政策の方向転換を示している。2013年度に、これまで世界でも珍しい先発明主義から世界の大多数の国が採用している「先願主義」に改めることが柱の改正である。

【米特許法改正の概要】

  • 先発明主義から先願主義への移行: 最初に発明した人に特許権を与える制度から、最初に出願した人に特許権を与える制度に変更
  • 特許付与後の異議申立制度の導入:特許付与から9カ月以内に限り、新規性の欠如などの理由に、第三者がその特許について異議申し立てできるようにする
  • 先使用権の拡大:特許権者が出願する前からその発明を使って事業をしていた第三者を保護する。特許成立後も特許権を無償で継続使用できるという先使用権を、従来のビジネスモデル特許からすべての技術の特許に拡大する
  • 国際公開の言語差別の禁止:英語以外の言語で国際出願した場合も、米国で先行技術として認められるようになる

多くのメーカーは、先願主義と先発明主義のいわば二重の手続きや管理などの手間を省ける点では歓迎している。また、異議申立制度の導入は、特許訴訟の乱発に対して対策しやすくなり、特許自身の質の向上にもつながる。先使用権は、パテントトロールのような利用を前提としない取引の抑制にもつながるという。また、技術が広がるのを見越して、出願した特許をいきなり成立させ、多額の使用料を取る「サブマリン特許」も抑制につながるという。

一方、大国米国が、特許戦略で優位に立つためには、不足する知的財産権をもつ企業のM&A、また特許売買市場の活性化が浮き彫りとなる。日本も特許戦略からみた企業買収や連携といったグローバルな展開が余儀なくされる。


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「『社会的責任』世界の視点⑩:温暖化『防止』から『適応』へ」から

2011.9.20  日経産業新聞集の記事「『社会的責任』世界の視点⑩:温暖化『防止』から『適応』へ」から

温暖化「防止策」から気候変動への具体的「適応策」へ

コラムの著者 損害保険ジャパン理事CSR統括部長 関正雄氏が、ISO26000の環境セクションでも取り上げられている、防止策から適応策へ、さらに適応策の重要性について指摘している。

昨年と今年、猛暑日の連続、日本列島すべてにわたる熱中症の被害から、関氏は、「多くの人が、地球温暖化の影実感した」という。一過性の異変ではなく、世界的に見ても、洪水、干ばつ、台風と、異常気象による自然災害は次々と発生している。

米国民の環境意識調査はハリケーンカトリーナの襲来で大きく変わったという。日本人も今年の異常な気象現象で意識が変わるかもしれない。さらに関氏は、「地球温暖化」という穏やかなニュアンスから、国際的に使われている「気候変動」を使うべきだと指摘する。今我々が直面していることは、気候の変動であり、人命も脅かす「気候リスク」あるいは「気候の危機」と認識すべきという。

今まで温暖化の防止に興味を向けていた人類も、もはや目の前の現実になった、温暖化の「影響への対処」を真剣に取り組み、早急に行動すべきという。気候変動の「緩和策」と同時に「適応策」も進めねばならない。しかも、一律明快な「緩和策」とは異なり、「対応策」は、地域ごとに必要な対策は異なり、広範な分野にひろがり、更にきめ細かい対応が必要だという。

政府主導のトップダウンの対策では対応しきれず、地域ぐるみの市民参加、企業も含めたさまざまなセクターの参加・協力が欠かせないという。ここでも、企業の課題解決力がキーとなる。気候変動への適応に、自社のリスク管理として取り組み、同時にビジネスチャンスと考える企業を増やす必要があるという。think


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞の記事「眼光紙背:LED照明の光と影」から

2011.9.16 日経産業新聞の記事「眼光紙背:LED照明の光と影」から

明るさだけでないLEDの開発

コラムでは、肝試しイベントでLEDの懐中電灯をつかって大失敗した話を出して、LEDの明るさだけでなく、色や拡散の仕方などに工夫が必要で、それに気付いたメーカーが従来品と同等の製品を作ったエピソードだ。

肝試しの失敗は、従来の懐中電灯では、幾分か弱い光であたりが見えないことから、気分が盛り上がったのに、LEDだと、隠れている大人を次々捉え、肝試しではなく、鬼ごっこになったようだ。

同様に「低消費電力のLED電球は飲食業に不向き」、「波長が白熱電灯と異なり、食事が美味しそうにみえない」と外食チェーン、がんこフードサービスの小嶋淳司会長が話したという。そこへ、三菱電機がハロゲン電球とよく似た色調のLED電球を開発し、ハロゲン電球と比べてそん色がない、と自信たっぷりだったそうだ。

単に照度をあげるだけなら、これ程の開発は不要だったのであろう。しかし、顧客のニーズは、明るさと色調も含めた完璧な代替機能を求めた。これに対して日本企業は真正面から取り込み、見事成功させた。この力こそ、日本が得意とするところだろう。happy01