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【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞(休刊)の「過去」記事「WAVE:メディア事業x顧客基盤」から

2024.3.28  日経産業新聞(休刊)の「過去」記事「WAVE:メディア事業x顧客基盤」から

母数が少ないときは他社連携のネットワークで一定規模を確保

コラムの著者 辻中 仁士氏(ナウキャストCEO)は、デジタルマーケティングでサードパーティクッキー規制を契機に大きく変わったと語る。広告戦略の見直しの中で注目されているのが、自社内の顧客基盤、つまりファーストパーティーデータであるという。コラムでは小売業を軸に辻中氏は解説をしている。

◯消費者に寄り添う戦略

辻中氏によれば、小売業は昔から独自の会員システムを立ち上げ、携帯アプリを発展させてきた。小売業の特性を活かし、広告主に対して投資対効果(ROI)を厳密にトラッキング(追跡調査)できる利点がある。ただ、自社だけでは広告の配信対象が必要十分な母数を確保できない規模であれば他社とネットワークすることで、広告効果を出す動きもあるという。

今回は小売業の事例であるが、辻中氏によれば他の業態でも顧客基盤があれば応用できる可能性があるという。特に、共通ポイントカードサービスや決済事業者などは有力候補である。これらの事業者は消費者との接点があり購買情報をもっている。ショッピングモール業態も、ポイントカードや携帯アプリの顧客基盤を活用した事業展開もあり得るだろう。

顧客基盤と絡めて重要なメディアビジネスの推進において辻中氏は次にポイントを挙げている:

  • 消費者との理想的な関係性を利用する。消費者は広告を見るために企業にデータを預けているわけではない。あくまでも消費者の生活体験に寄り添って、消費者のための提案を広告ビジネスを通じて実施するというスタンスを持つことになる。
  • 自社データの基盤を作る。データが収集され蓄積しているだけでは意味がない。データを適切に管理し、クレンジングして、広告の商材とマッチングするロジックを構築する必要がある。このロジックのシステムをどう組み上げるかが自社の課題となる。
  • データの収集を自社のみで進めるのか他社と協業するかを検討する。独自のデータをいくら持っていても、一定の規模がなければメディアとしての価値は生まれない。この価値が出せるかどうかで事業化を進めるかを検討することになる。

最後に辻中氏は、今後メディアビジネスが普及していくだろうが、無駄な投資や本業に対する顧客のロイヤリティーを損なうようなことを避けねばならないという。🥦🏪📈📉🖼️🎨👩‍💻💻🚗🏍️📱🏦💵👕🧼📖👚📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞(休刊)の「過去」記事「三浦俊彦の目:先進国の最底辺、失われた30年の克服を」から

2024.3.29  日経産業新聞(休刊)の「過去」記事「三浦俊彦の目:先進国の最底辺、失われた30年の克服を」から

かつてはJapan As Number 1であった日本が新興国の足音を気にしている

コラムの著者 三浦 俊彦氏(中央大学商学部教授)は、2月に企業調査で米国フロリダ州を訪ねたという。先ず驚いたのは物価の高さである。しかも、60年前の日本が米国に抱いた感覚と同じで、今は日本は最底辺であることもわかる。3月には同様にベトナムのホーチミン市を訪ねたが、そこは60年前の日本があったという。しかし、歴史は繰り返すが絶え間ない進歩を続けている。今や日本は革新が最も必要であると、三浦教授は断言している。

◯60年前の高度成長の日本と米国の関係に酷似

三浦教授によれば、米国ではコーラが小売店で3.28ドルと日本の3倍もした。視察したオークランド市のディズニーワールドの土曜入場料が184ドル(約2万7600円)と東京のそれとの価格差は歴然である。まるで60年前の高度経済成長期の日本人になった気分だと言う。「米国は素晴らしいが、物価が高い」と当時の日本人が感じたことを今回も感じたと言う。

まさに失われた30年の経済格差は大きい。もはや日本は先進国の最底辺にいる。ベトナムでは日本におきく遅れているように見えるが意外に、ショッピングモールや高級マンションは日本と変わらない。スマホの普及率も同程度である。さらにベトナムは平均年齢が、日本の48.4歳に比べて32.5歳と若い。革新の意欲に満ちており、いずれ日本を追い抜くであろう。世界を席巻したJapan As Number 1も落日である。そうならないためにも革新を続けるしかない。📈📉🖼️🎨👩‍💻💻🚗🏍️📱🏦💵👕🧼📖👚📰✏️🗒🍷💻🏢⚡️📖🎓🔎🌏happy01🇯🇵🇺🇸🇻🇳


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞(休刊)の「過去」記事「Smart Times:未来から自分を見る」から

2024.3.29  日経産業新聞(休刊)の「過去」記事「Smart Times:未来から自分を見る」から

課題抽出型だけではアイデアに違和感が出てくる

コラムの著者 野口功一氏(PwCコンサルティング パートナー専務執行役)によれば、前回に引き続き自社の若手社員とのワークショップでの議論から、課題設定について再度思考している。そこで今の課題ではなく、将来を見据えてそこから今を紐解くような思考を持つとさらに、事業アイデアが広がるという。

○課題解決での事業アイデア以外が必要なら未来から考えてみる

野口氏は、確かに聞き手として若手社員の事業アイデア創出の場に立ち会うと、エネルギッシュな議論で刺激を受けたという。理路整然と課題設定をして、これに論理的に解決する方法を探り出す。全く、そつがなく良いという。だが、一種の違和感もあるという。例えば、若者はもっと前向きに活躍しなければならないという課題設定という行為に縛られて、課題抽出での解決でビジネスを考えていることが発想に制限を加えているかもしれない。

確かに、課題抽出での解決による発想は有用であって否定されるものではないと、野口氏は示唆する。ただ、視点が今現時点である点が、アイデアの広がりを狭めてしまう、野口氏が言うように「2030年の働き方はどうなっているだろう」と少し目線を未来に持っていき、そこから今をみると、多くの発想が生まれてくる。つまり、現在の課題の抽出ではなく、将来に起きることに対してどうアプローチしていくかをみる視点もほしいところである。未来から自分を見ることも発想として興味深い。🖼️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞(休刊)の「過去」記事「眼光紙背:なるか悲願の『トリクルダウン』」から

2024.3.25 日経産業新聞(休刊)の「過去」記事「「眼光紙背:なるか悲願の『トリクルダウン』」から

取引先と技術開発や素材を研究開発して競争力を得る

コラムの著者は今年の大手企業の春季労働交渉が「満額」ラッシュで沸いた時に、これに水を差す日産自動車の下請法違反を起こした背景について触れている。

○「満額」回答に水を差す日産自動車の下請法違反

コラムの著者によれば、大手企業の労使交渉での「満額」回答の影響が進むのは、中小零細企業の賃上げで、その波紋が広がることである。

日産自動車の下請法違反は、同社が下請け企業との取引で、発注時に決めた「割戻金」として一部を差し引いた代金を部品メーカーなどに支払っていたことが問題視されているという。

だが、安倍政権下では「官製賃上げ」と揶揄されたがその原資を元請け側の価格を据え置きながら、納入価格との差額を、下請けの賃上げの原資とした「トリクルダウン」を奨めたこともあるという。かつて日産自動車も取引先の部品メーカーとともに原価低減に取り組み、そこでの差額を折半するという取り組みを進めて、他国の自動車の価格競争に対して果敢に挑んだという。

確かに今の同社は中国など販売不振が続いている。起死回生を狙うために自分たちだけでなく、下請け会社への「強要」は逆に競争力低下を生んでしまうという。🛠️📉📈💴📕📃🏙️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵


【ヒット商品】ネタ出しの会 日経産業新聞(休刊)の「過去」記事「Smart Times:AIで一足飛びの飛躍を」から

2024.3.27 日経産業新聞(休刊)の「過去」記事「Smart Times:AIで一足飛びの飛躍を」から

日本は他国に対して課題先進国

コラムの著者 高宮 慎一氏(グロービス・キャピタル 代表パートナー)は、日本が世界に先駆けて、他国もいずれ直面する課題を先取りしていることを逆手に取って、解決策をAIやセンシング技術、ロボティクス技術などを駆使して、解決案を提示できる優位性があるという。今直面しているのは人手不足であるという。

○人手不足を解決案を提案できれば新産業として先進国に

高宮氏によれば2024年1月の調査では人手不足を感じる企業は、正社員で52.23%、非正社員で29.9%にも上るという。これに対して出生率は2023年の速報値で75.9万人で、2035年に75万人との予測で、労働需要が横ばいの中、労働供給は2022年の6587万人から、2040年は5767万人まで激減し、1100万人の人手不足が発生する予測である。

少子化対策、労働の流動化、女子・シニア・外国人財の労働市場への参入と日本政府も対策に力を入れている。だが、効果が出るまでは時間がかかる。そこでこの待ったなしの状況で新産業として人手不足解消の解決案があれば世界後今後直面する課題解決となり大きな商機となろう。その解決の一助がAIであると高宮氏は指摘する。

高宮氏は、蒸気機関による産業革命、インターネットによるIT革命に匹敵する非連続な生産性の革命がAIによる非定型業務の生産性を飛躍的に向上させるという。産業革命は機械の生産性の向上、インターネットが定型業務の生産性の向上につながったことからも大きな変曲点であることは否めない。

AIを活用すれば膨大なデータを学習し、非定型、カスタムメードな対応ができる。さらに競争力のあるAIを構築するには、質の高い学習データの収集が必要となる。そこでデータをうまく集める現実世界との接点となるセンシング技術の優劣が物をいう。さらにAIで仕事をさせるにはロボティクスによるところが多い、日本企業はこのセンシング技術とロボティクスの活用が得意である。これを人手不足の解決策として提示できれば、世界が今後直面する課題が逆に商機となろう。📉📈💴📕📃🏙️💬⚡️🏙️💡🏗🚚📈🏢⚡️💹📖🖋🔑🩺💉🏢⚡️🎓👔⏰🔧💻🖥📻🖋🌏💡🔎🌍happy01🇯🇵